言うの敬語表現 尊敬語
- 「おっしゃる」が一般的な「言う」の尊敬語
- 「言われる」 < 「おっしゃる」 「言われる」は敬意が弱い言い方
- 「仰せられる」は古風な言い方であり、高貴な人に用いる場合が多い
【言う】の尊敬語の例文と、間違った使い方
【例文】
〇 教授がいわれた(おっしゃった)事をしっかりと胸に刻む
〇 課長のおっしゃる通りです
〇 (上司に質問する時) 社長がおっしゃったことについてですが
〇 (電話の取次ぎ時) 部長、〇〇様とおっしゃる方からお電話です
〇 そんなことおっしゃらないでください
〇 今、なんとおっしゃいましたか
〇 社長がおっしゃっていました
〇 陛下の仰せのままに
✖ 社長がおっしゃられたことについてですが (二重敬語)
〇 社長がおっしゃったことについてですが
注意 「おっしゃられる」は 「おっしゃる」に「れる」がついた二重敬語なので間違いです。
✖ 田中さんという人から電話です
〇 田中様とおっしゃる方からお電話です
✖ 課長がもう一回確認するようにと言ってました
〇 課長が再度確認するようおっしゃってました
【言う】の敬語表現 謙譲語
言うの謙譲語 例文と間違った使い方
【例文】
〇 私から申し上げることは何もありません
〇 皆様には大変お世話になり心からお礼を申し上げます
〇 (司に報告する時)先方の部長に申し上げたところ、ご快諾をいただきました
〇 (上司に相談する時)部長、ご相談申し上げたいことがございます
〇 (取引先への手紙で)ご配慮のほど、お願い申し上げます
〇 (手紙)お願い申し上げます
〇 (手紙)御礼申し上げます
〇 (手紙)ご案内申し上げます
〇 (社外の人に伝える時)社に戻って担当者にその旨申しておきます(申し伝えます)
〇 鈴木と申します (注1)
〇 私、A商事の鈴木と申しますが、、
〇 父が皆様によろしくと申しておりました
〇 物を大切にしなければいけないことは申すまでもありません
〇 (上司に説明する時)この件は、私から田中に申します
〇 (上司の都合を聞くとき)部長がお帰りになるまでお待ち申します(注2)
- (注1)初対面「鈴木と申します」 2回目以降「鈴木でございます」
- (注1)鈴木と申します。は初対面の時に限る言い方とされていますが、2回目以降に会った時に相手が自分のことを覚えておらず、初対面と思っているかもしれません。2回目以降も「鈴木と申します」と言う方がいい場合もあります。
- (注2)申すは お~申す のように謙譲表現をつくる。「お」+「動詞」+「連用形」例えば、「お 待ち 申します」「お 手伝い 申します」その場合、申すは言うの意味をもっていない事に気づきますね。
✖ 課長が申したことを、すぐ実行します
✖ 課長が申されたことを、すぐ実行いたします (注3)
〇 課長がおっしゃったことを、すぐ実行します
✖ 失礼ですが、そちら様のお名前は何と申されますか (注3)
〇 お名前伺ってもよろしいでしょうか
〇 お名前教えていただいてもよろしいでしょうか
- (注3)申されるを尊敬語として使う人が近年増えており、尊敬語として認めるべきという意見もあるが間違いである。
✖ 社に戻って担当者にその旨を申し上げておきます
〇 社に戻って担当者にその旨申し伝えます(申しておきます)
言うの敬語 尊敬語・謙譲語のまとめ
言うの尊敬語は 言われる・おっしゃる・仰(おお)せられる・仰せになる です。
近年(現令和6年)では「申される」を尊敬語と認めるという意見がありますが、本来「申される」は尊敬語ではありません。「おっしゃる」を使っていれば間違いはありません。
言うの謙譲語は 申す・申し上げる です。
注意したいのは、取引先との会話で、取引先(社外)との内容を自分の上司に伝える場合、自分にとってどちらも目上の人にあたります。ですが、➀の様に部長をたてる言い方をするのはNG。上司であっても、取引先には、②の様に伝えます。
➀ ✖ (取引先との会話) 先ほどの件は社に戻り次第部長に申し上げます。
② 〇 (取引先との会話) 先ほどの件は社に戻り次第部長に申し伝えます(申しておきます)。